「ムーアの法則」にも限界が…
技術的なことには待ってく詳しくない私でも,「ムーアの法則」という言葉は知っていました。定義としては,
「より高いパフォーマンスとエネルギー効率を実現し、回路サイズも縮小しながら、約2年ごとにチップ上のトランジスタ数が倍になるという傾向」
だそうです。
思い返せば,Windows95が発表され,「Pentium」型CPU(懐かしい!)が登場した次期から,「クロック数の向上」「新型CPUの登場」など,それはそれはめまぐるしい性能アップが図られていたものでした。(お若い方は知らないかもしれませんが…)
それに伴い,「数年前のパソコンは使いものにならない」ほどの進化ぶりでした。PC
の価格自体が,今では考えられないくらい高かったですし。
それが今はどうでしょう。Intelの「iCore」世代ともなると,世代交代があっても基本性能的には絶対的な差をそれほど感じないようになってきました。それ以上に,周辺機器とのマッチングや省電力化といった基本性能以外の面での「対応」の方に目が行き始めたと感じています。
それだけ,CPUや「パソコン」という製品の技術や立ち位置が成熟してきたといえるのでしょう。スマートホンや,デジタルカメラ等,同じような体験をこれまで繰り返してきましたね。
そんな折,こんな記事を見つけました。
新しい時代のコンピューティングとは?
「体感的」だけではなく,数値としても,やはり性能向上は頭打ちになっていたのですね。おそらく,文中の言葉以上に,我々が感じる「頭打ち感」は強いものだと考えます。
さらに,以前はいわゆる「パソコン」という範疇で考えておけばよかった事柄が,スマートホン等の新しいデバイス,ロボット技術,ホームAI,自動車の自動運転等,様々なリンクを想定しなければならなくなっているのです。
爆発的な裾野の広がりですよね。
これらの実態を踏まえ,この記事では「ムーアの法則プラス」という考え方を提唱しています。それは,
〇新しいコスト効率的なパッケージングおよび相互接続技術と、より小さな半導体デバイスの統合。これは、斬新な方法でチップ技術をまとめる柔軟性をもたせる。
〇専門アクセラレータと共に、計算プロセッサ(CPU及びGPU)のヘテロジニアス(異なる種類)な組み合わせを利用し、先進的なメモリからデータをこれらのエンジンに送り込む。
〇プログラミングを容易にしヘテロジニアスな計算資源の利点を活かす、オープンソース・ソフトウェアと開発フレームワーク。
〇機械学習、データ分析、およびVR / ARのためのレンダリングといった高度な計算を使うアプリの開発を容易にするソフトウェアアプリケーションのエコシステム。
という4項目のようです。
私のような素人には難しいのですが,これまで「CPU」単体で考えていたことを,様々なデバイスや技術との統合,ソフトウェア開発との関連を図る方向に変えていく「新たな見取り」の必要性を唱えているようです。
様々なデバイスの開発による生活様式の激変ぶりに対応するには,考え方そのものを変えていかなくては対応できないということなのでしょう。
今後は,単純な性能向上という観点ではなく,「統合」「連動性」などといったキーワードが重視されていくのかもしれませんね。