「A11 Bionic」の性能は?
10.5インチのiPadProが発表された際には,搭載されていた「A10XFusionプロセッサ」の性能に驚いたものです。
しかし,今回「iPhone8・8Plus・X」に搭載された「A11Bionicプロセッサ」は,さらなる衝撃を与えました。
MacBook Pro(Corei5)を凌駕!
その性能を他のスマートフォン端末や,なんとMacBook Proとも比較したデータが掲載されていますね。詳しく見ると…
A11Bionic
A10XFusion
GalaxyS8+
MacBook Pro(Corei5)
MacBook Pro(Corei7)
マルチコアにおいてMacBook Pro(Corei7)が「安泰」の他は,スマホとMacの逆転現象さえ起きています。
インテルプロセッサの能力向上が頭打ちになり,しばらく前の世代のものでもそこそこの作業をこなせるようになって久しいですが,そうしているうちに「スマホ,タブレット端末用のプロセッサ能力」が爆発的に伸びてきました。
この両者の「差」には,大きな違和感を感じますね。
PCやMacにおいては,スマホやタブレットではまかないきれない作業をこなすためにより強力なCPUが搭載されるものだという先入観があるからでしょうか。最近では,スマホでもゲームや写真・動画処理などの負荷の大きい作業をこなすようになり,性能アップが望まれるようになってきたということでしょう。
しかし,Appleでは二世代前のモデルも現役として発売していることから,大多数の作業においては,最高スペックのCPUでなくても十分快適にこなすことができるのが今の「スマホ・タブレット事情」だと考えます。
なぜこれ程までに急速にスマホの性能が急速に伸びてきているのか? 果たして利用者はそれを望んでいるのか? 逆にMacの性能をもっと効率よく上げることはできないのか?等,なんだか腑に落ちない思いにも陥ります。
MacBook Pro(Late 2016)を使用している身からすると,「MacよりiPhoneの方が高性能」という事実はなんとも少々しがたい気持ちになります…Macがもっとお安ければこんな思いにはならないとは思いますが…
Aプロセッサ搭載のMacは登場するか?
ここでふと頭をよぎるのは,
「Aプロセッサの能力がここまで向上しているのであれば,Aプロセッサ搭載のMacができてもいいのではないか?」
ということです。
もはや「性能的」には十分なところまで来ているということでしょう。
まあ,Windows,Intel等との絡み,利用アプリの連携等,Appleの事情だけで動いてはいないMac関連の諸事情を考えると,すぐさま「Aプロセッサに移行」というわけにはいかないかもしれませんが,Intelのプロセッサを使わなくてもこれまでと同様の環境が用意できるのであれば,利用者にとって「プロセッサの種類」はそれほど重要なことではないのかもしれません。
それ以上に,「自社製CPU」を活用することによるメリット,例えば「価格低下」「保証・メンテの充実」「開発の自由度増加」などがあるのであれば,むしろ積極的に考えていくべき案件なのかもしれません。