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50おやじが,お気に入りについて気ままにつぶやくページです。

「ことば」にこだわる原田マハさんの魅力

心躍る新たな作家との出会い

 毎週末に一冊ずつ程度のペースで,小説を読み進めるルーティーンが定着してからしばらく経ちます。

 最優先で読み進めるのは,最新の単行本を予約して購入するお気に入りの作家さん達の本です。私であれば,「東野圭吾さん」「湊かなえさん」「池井戸潤さん」「有川浩さん」「村上春樹さん」「住野よるさん」といったところでしょうか。

 雀の涙ほどの小遣いの中から絞り出す本代ですので,やはり単行本は「お高いなあ」と感じます。
 ですから,「文庫本になってから」「話題作だけ」などという,上記以外の作家さん達も多く存在します。

 しかし,それなりのペースで読み進めていくと,読みたい本が「枯渇」してくるわけでして…。だからこそ,これまでに出会っていない作家さんの本との「新たな出会い」を常に欲しているわけです。

 今回は,新たに「これはっ!」という出会いがありましたのでご紹介します。これまでに読んだことがある方であれば,
「そんなの知ってるよ!」
ということなのでしょうが,自分としては
「久しぶりにいい出会いがあった」
と思える作家さんでしたのでご勘弁を…。

 その作家さんは「原田マハさん」です。

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出会いは「総理の夫」

 新たな作家さんと出会う方法として,私は「Amazonの中古本」「ヤフオク」をよく利用します。ネットで作家さんの本の情報を調べ,自分の好みに合いそうかを勘案して注文してみると,まあ大外れということはありません。そんなことを重ねながら,「自分好みの作家さん探し」を行うわけです。

 原田マハさんに関しては,もちろんお名前は知っていましたが,これまで手にする機会がありませんでした。そんな中,「総理の夫」という本がなんとなく目にとまり,お試しでヤフオク購入してみることに。

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 政治の波にもまれ,総理大臣に祭り上げられる極小政党の党首である妻を支える「夫」目線で書かれたこの小説。実に爽やかに読める良作です。その理由として,
・平易で読みやすい文体
・登場人物の心情表現が素直で心に届く
・お仕事小説として秀逸
・人情ものとしても読み応えとあり
といった点が上げられるかと思います。

「もっと読んでみたい」
という思いに駆られ,原田さんの代表作とも言える「本日は,お日柄間もよく」を手に取ってみることに。

 

女性版「山本幸久」プラスα

 「本日は,お日柄もよく」は,ひょんなことから「スピーチライター」を志すことになった女性が,国政を目指す幼なじみのスピーチを担当することになり…という内容。

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 結婚式のスピーチというとっかかりから,衆議院選挙という大舞台へと話は大きく飛躍しすぎかな?とも思いますが,それは「総理の夫」も同じこと。小説であれば,これくらい奇想天外であってもいいのかなと思います。

 こちらの作品も,非常に素直で読みやすい文体のため,一気に読み進めることができます。また,スピーチライター,新人議員やその妻といった,それぞれの立場の心情表現が実にストレートに伝わってきて非常にすがすがしい!

 

 この2冊を読んで思ったのは,
山本幸久さんの文体に似ているな…。」
ということです。山本幸久さんといえば,「凸凹デイズ」「カイシャデイズ」「ある日,アヒルバス」等,お仕事小説を書かせれば右に出るものなしと私は考えている人。この方の小説も,平易な文章で登場人物の心情を実に爽やかに描いており非常に好感がもてるのですが,原田マハさんの書き味と非常に近いものを感じました。
 エンディングも前向きに締めくくられることが多く,読み手に希望を与えてくれることも似通っているかも。

 

 しかし,山本さんとの違いを読み取るとすれば,
「ことばにこだわりをもち,ことばの伝える力をよりどころに作品づくりをしている」
という点。もちろん,山本さんがことばにこだわっていないということではありません。原田さんが意識的に「ことばの力」「ことばの可能性」をテーマにした書き方をしているということです。

 「本日は,お日柄もよく」は,そのままズバリ「スピーチライター」というお仕事がテーマです。
結婚式で印象に残るスピーチの構成は?
政党のマニフェストとしてどの言葉を選択するのか?
有権者に思いを届ける辻斬りスピーチとは? 等々,「ことば」が人の心を動かし,その言葉によって自分が支えられる…といった,小説のストーリー動線の全ての基盤になるのが「ことば」なのです。

 「総理の夫」にしても,総理大臣たる妻が国会でどのように政策を訴えるのか…など,やはり「お仕事」を支える「ことば」が重要なテーマとなっています。

 生き生きとした「お仕事小説」の中に「ことばの可能性を散りばめた」,読み手に勇気を与える人情小説家。それが原田さんなのかなと今のところ感じています。

 

 原田さんといえば,美術館勤務の経験もあり,著作にも芸術作品にまつわるものもあるようです。今後は原田さんの作品を読みあさってみようと考えています。
 これだからお気に入りの作家さん探しはやめられませんね。

本日は、お日柄もよく (徳間文庫)

本日は、お日柄もよく (徳間文庫)